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120519 WEB漫画書籍化



■ WEB漫画書籍化は4コマが多い?

このところ、しばしばWEB漫画が書籍化されます。

WEB漫画は、ストーリーものの優れた作品が充実しています。
しかし書籍化されるのは、なぜか4コマ漫画ばかりのような……そんな印象を漠然と持っていました。
本屋をぶらついても、4コマの本はよくみますが、4コマ以外の本はあまりみません。

なぜそうなのか?
もしかすると、4コマのほうが書籍化しやすいのでは?
そもそも、本当に4コマのほうが多いのか?

データをまとめて検証してみました。



■ この記事に関して

作者様のサイトと、Amazonに掲載されている情報を表にまとめ、それを元に考察していきます。
4コマ作品と、それ以外の作品で区分けしています。

>補足

・データは 2011/12/30 時点のものです。
・複数巻出ている作品は1巻のデータを採用しています。
・Amazonランキングは、 「 本 > 漫画・アニメ・BL > コミック 」 カテゴリのデータです。
・Amazonランキングは、見るたびに微妙に順位が変わるので、大体の値ととらえてください。

>参考資料

web漫画探索記 様 が、書籍化したタイトルをまとめてくださっていたので、参考にさせていただきました。

書籍化された4コマweb漫画 / web漫画探索記
書籍化されたストーリーものweb漫画 / web漫画探索記



■ 書籍化したWEB漫画まとめ(4コマ作品)

書籍化WEB漫画まとめ(4コマ作)1

※クリックで拡大 (120213:作者名追記)



■ 書籍化したWEB漫画まとめ(非4コマ作品)

書籍化WEB漫画まとめ(非4コマ作)

※クリックで拡大 (120213:作者名追記)



■ 書籍の数

表計算ソフトでまとめてみると、4コマとそれ以外で、明らかに差がありました。
特に重要と思われるデータをピックアップします。まずは書籍の数から。

 4コマ作非4コマ作
作品数16作17作
冊数56冊34冊

作品数を比較してみると、非4コマ作のほうが多く、意外だったのですが、続刊も含めた総冊数で比較してみると、やはり4コマの方が多いという結果になりました。



■ Amazonランキング(平均値)

 4コマ作非4コマ作
Amazonランキング21867位50011位

Amazonの売上ランキングの平均値です。4コマ作品は約22000位。非4コマ作品は約50000位でした。

Amazonという一書店のランキングから、業界全体の流れを推し量ってしまってよいのかという問題はありますが、それを差し引いても、4コマの方が売り上げがよいと言えそうです。
上の表を見ても、4コマはランキング3~4ケタ台が多いのに対し、非4コマはランキング5ケタ台で団子になっている印象です。



■ 価格・ページ数(平均値)

 4コマ作非4コマ作
価格942円767円
ページ数134P209P
ページ価格7円3.7円

両者のページ数と価格を比較すると、4コマの方がページ数が少なく、価格も高いという結果になりました。

価格をページ数で割り、1ページあたりの価格を求めると、4コマ作品は7円。非4コマ作品は3.7円になりました。ほぼ倍額です。
やや割高ですが、掘り下げて考察していくと、この価格設定がゆたかな世界を形作っているとも言えそうです。詳しくは後述します。



■ 巻数

 4コマ作非4コマ作
平均巻数3.5巻2巻
続刊確率69%41%

1巻のみで終わらず、続刊が出ている作品もあります。
平均の巻数は、4コマが3.5巻。非4コマが2巻。これも4コマの方が倍近く出ています。

続巻が出る確率は、4コマは約7割とかなり高いのに対し、非4コマは約4割にとどまっています。



■ アクセス数(平均)

 4コマ作非4コマ作
アクセス数2,262万2,494万

論旨とは関係ないですが、アクセス数に関しても。1億アクセス近くいってる一部のサイトに翻弄された感もありますが、とてつもない数です。僕の漫画が書籍化されるには、あと10倍はアクセスが必要だったのかもしれません(10倍で約900万)。



■ 書籍化は4コマが圧倒的有利

おそらく4コマの方が有利だろうとは思ってましたが、データにまとめてみると想像以上に差がありました。

・4コマの方がおしなべて売れ行きがよく、大ヒット作もたびたび出ている。
・4コマの方が利ざやが大きく、ヒット時の収益が大きい。
・余裕のある価格設定のため、在庫が残った時のリスクも小さい。
・ページ数が少ないので、出版にかかる手間も少ない。

全てにおいて4コマの圧倒的有利です。
非4コマと比較しての、続刊が出る確率の高さ、平均巻数の多さが、軌道へののせやすさを物語っている気がします。



■ 高めの価格帯の豊かさ

4コマ単行本は、一般に価格帯が高めです。ページ数も通常の単行本より少ないので、一冊あたりの利益は大幅に高いと思われます。

高い利益を含めた価格にすることは、一見ボッてるように見えるかもしれませんが、全く別の側面もあります。売れ残ったときのリスクを小さくすることができるのです。
失敗したときのリスクが小さければ、当然、出版のハードルは下がります。4コマの続刊率が圧倒的に高いのは、このことが大きいでしょう。
また、利益が高ければ、ヒットしたときは大きなリターンを得られます。ローリスクである。ハイリターンの可能性もある。出版社としても書籍化のモチベーションを高めやすいでしょう。

我々消費者からすると、やや余計にお金を払うことで、WEB漫画の書籍化の土壌を豊かにしている形です。豊かになった土壌は、もしかしたら、ひいきの作家さんの商業デビューのキッカケになったり、あるいはあなた自身の漫画が書籍化するという形で恩返ししてくれるかもしれません。
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コメント
この記事へのコメント
フルカラーだから高い、というのはありますが、
実は値段だけは昔の相場で実際の印刷費は下がっているという
オチがある気がします。(主に同人印刷を見て)
2011/12/31(土) 21:01 | URL | sage #cRy4jAvc[ 編集]
>実は値段だけは昔の相場で実際の印刷費は下がっているという

その可能性もあるかもですねー
僕は(同人誌)印刷の相場は、ここ6年くらい
までしか把握してませんが、以前安くなった的な
話は聞いた気がします。
2012/01/01(日) 11:37 | URL | 牛帝 #-[ 編集]
これだけ調べて分析した、というのがすごいと思いました。
最後の結論も意外だけどそうだったのか、ていう感じで。
ウェブじゃないですけど、『あずまんが』から始まる『らきすた』や『けいおん』などに代表される日常系4コマ作品が当たって、という流れもあるかもしれないですね。これで味をしめたというか。
実際に見てみるとウェブから商業化された作品も日常系が多いような気がします。
実際に検証してみる気にはなれませんが……(申し訳ない)。
2012/03/24(土) 18:56 | URL | ハム太 #-[ 編集]
ありがとうございます。意外とAmazonで情報が手に入ることに気がついたので、いっちょまとめてみるかという気分でしたw
4コマのほうが多いと思ったのは、自分がWEB漫画描きのため注目してしまうからで、普通の方は気づかないかもですねー

日常系4コマからの流れはあるでしょうね。漠然とした印象なので間違ってるかもですが、それまで4コマというと、植田まさし先生が描かれてるような、オタ要素皆無の4コマが主流だったイメージですが、あずまんがのヒットで、オタ要素のある4コマがかなり増えてきて、その1ジャンルとしてWEB漫画発の4コマも定着した感じなのではないかと。

>実際に見てみるとウェブから商業化された作品も日常系が多いような気がします。

確かに、言われてみれば日常系が多いかもですねー そのへんも調べてみると面白そうです。
2012/03/26(月) 17:55 | URL | 牛帝 #-[ 編集]
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